2023.07.18

魅力的な店舗づくりを陰で支える
大創産業の“強い物流力”

大創産業の店舗には実に多くの商品が並び、いつ訪れても欲しい商品と出会うことができます。その当たり前の状況を支えているのが、大創産業の物流部です。近年、EC市場規模の拡大などで大きく注目を集める“物流”ですが、膨大な商品数を扱う大創産業の物流はどうなっているのか?今回は、大創産業の物流力について、ご紹介します。

大規模配送を可能にする
物流の要「RDC」の存在。

強い物流力がなければ、魅力的な店舗は作れない。

生活必需品から趣味嗜好品まで、生活を豊かにする商品を幅広く取り扱うダイソー。現在の商品数は約7万6,000アイテムにもなり、全国各地にある店舗の棚には、膨大な数の商品が並びます。
いつ訪れても、求める商品と出会えるのがダイソーの魅力ですが、それを支えているのが大創産業の物流力。いくら良い商品を作り、たくさんの地域に店舗を増やしても、物流が途切れてしまっては店舗に商品が並ぶことはありません。膨大な商品数を扱うダイソーが魅力的な店舗づくりを行うためには、強い物流力が必要不可欠なのです。

地域配送の要となる物流センター「RDC」。

日々、膨大な商品数が行き交う大創産業の物流を支えているのが、配送の要である「RDC(リージョナル・ディストリビューション・センター)」と呼ばれる物流センターです。北海道、千葉、埼玉、新潟、名古屋、大阪、広島、九州の8つの既存RDCに加えて、2023年7月に9つ目となる神奈川RDCが新たに設立されました。
RDCは、それまで商品や地域ごとに点在していた無数の物流倉庫を集約した巨大な物流センターです。このRDCに集約したことにより、煩雑化していた発注方法や物流コストなども大きく改善することに成功しました。RDCによって、大創産業の物流は大きく進化したのです。

広大な北海道でも、明日には商品が届く。

RDCの誕生で商品をまとめて発注することが可能になり、発注業務がより効率化されました。また、広大な土地を要する北海道であっても発注した翌日には商品が店舗に届くという状態となり、“配送リードタイム”も大きく短縮。各エリアにあるRDCでは、今まで人の手で行っていた在庫管理や仕分け、出荷作業もオートメーション化されています。
欠品を自動発注する仕組みも取り入れることで常に商品在庫が管理され、物流倉庫としての効率化も促進。RDCによって、いつ店舗を訪れても欠品のない状態を保つことができるようになり、お客様はいつでも欲しい商品を手にすることができるようになったのです。

最先端の技術が詰まった
神奈川RDCが誕生。

物流の未来へ挑戦する「神奈川RDC」

増加する物流量に対応するために新設された神奈川RDCは、「キャパシティの増加」「省人化や自動化へのトライ」「店舗向けサービスの向上」という3つのコンセプトが設定されています。中でも、既存のRDCには無いような最新のロボットや機械設備が導入されているのも大きな特徴です。
神奈川RDCで検証された有効な自動化設備は、今後、他のRDCへの展開が検討されるなど、実証実験を行う場としても機能します。機械による自動化で人件費などの倉庫運営コストも従来の3~4割を削減するなど、大創産業が目指す未来の物流の姿に向けた、試金石となる重要な物流センターです。

とことん自動化が施された施設。

神奈川RDCでは、入庫した商品を自動でパレットに積み、自動倉庫へ入庫する「ロボットパレタイザー」が導入されており、荷受けから倉庫に格納するまでを自動で行えます。さらに、自動倉庫では機械が「何がどこにあるか」を管理してくれ、商品の発注を機械が感知すると、格納場所から商品が自動で流れてくる仕組みになっています。
他にも、商品が詰まった段ボールの上面を自動でカットして商品を取り出しやすくする「オートカートンカッター」は、独自の設備として試験的に運用されます。まさに、未来の物流倉庫を想起させるような機械設備が数多く導入されているのです。

店舗運営の手間も省く取り組み。

これまで誤配送を防ぐためにラベルを貼って出荷していましたが、神奈川RDCでは、ラベルではなく自動で印字される機械を導入しています。これにより、店舗では商品到着後にそのラベルを剥がす手間が無くなります。
また、可能な限り商品のジャンルを揃えて出荷することで、店舗での荷捌きを楽にする取り組みにもチャレンジ。商品が到着すればそのまま商品陳列を行えるため、バックルームで商品のジャンルごとに仕分ける手間を削減することが目的です。他にも改善できそうなことがあれば積極的にトライしていき、店舗運営がよりしやすくなるように、物流の側面からできることを行っていきます。

ドライバーの手間を無くし、新規配送ルートも開拓。

通常、ドライバーが機械をかざしてトラックに積まれた荷物を一つひとつ検品しますが、神奈川RDCではこの手間も無くすため、電波スキャンで素早くチェックする「RFIDゲート」を導入しています。間違った荷物がゲートを通過するとアラートが鳴るなど、人の手で行うより誤配送を効果的に防ぐことが可能です。
また、各エリアでは新しい配送会社と順次契約し、新しい配送ルートも開拓していきます。さらに発注しやすく、店舗に商品が届きやすくするための挑戦を積極的に行っていくつもりです。

世界規模の物流ネットワーク、
全自動化を目指す

2030年までに3つのRDCを新設予定。

神奈川RDCの開設によって国内に9つのRDCが誕生しましたが、さらに増えることが予想される物流量に対応するため、2030年までに新たに3つのRDCを増やす計画が進んでいます。
最新設備が揃った神奈川RDCで起きた事例や、他の8つのRDCが蓄積してきたノウハウを活かすことで、さらに進化した物流センターとして稼働することが期待されています。全国の店舗がより安定して稼働できるように、さらに強固な物流体制を築きます。

海外物流拠点と連携した強固な物流ネットワーク。

大創産業は海外にも物流拠点を展開していますが、その拠点をさらに強化するための取り組みも始まっていきます。国ごとの規約やルールを加味しながら、さらに日本のシステムと密に連携させ、日本の高い品質に合わせた商品管理を行うことで、よりスピーディーに商品をお客様にお届けすることが可能になります。
世界規模で物流ネットワークを構築することで、国内だけでなく世界のお客様にさらに満足いただきたいと考えています。

目指すのは、「全自動化」された物流。

大創産業が目指すのは、「全自動化」された物流です。物流も日々進化していますが、私たちが目指す姿は、もっと未来の物流の姿。物流の現場では、まだまだ人の手で行っていることが多く、「こうすればより効率的になる」「この工程は自動化できるのではないか」といったことがあります。
様々な最新設備を導入した神奈川RDC、これまで大創産業の物流を支えてきた8つのRDCの知見を活かして、より強固な“未来の物流”を目指します。


物流の仕組みを知ることは、
自分の仕事にもプラスになる。

新入社員に対して行われる研修の中に「物流研修」があります。現在、神奈川RDCで働くA.Yさんは「入社時の早い段階でこの研修を受けておきたかった」と語るほど、有益な研修のようです。A.Yさんにお話を伺う中で、物流研修のメリットが見えてきました。

神奈川RDC 主任 A.Yさん
新卒入社で社歴は9年目。店舗運営部からキャリアをスタートさせ、店長やSVを歴任。その後、改善推進部や海外運営部を経て、2023年3月から物流部へ配属となる。現在は2023年7月に開設された神奈川RDCの主任として、新しい物流への挑戦を行っている。

物流研修について教えてください。

物流研修とは、物流部やRDC内で行われている業務などについて、全新入社員に知ってもらうための研修です。座学だけではなく、実際にRDCに来てもらって倉庫内の見学や実際に商品の入荷作業を行うなど、「体験」もしてもらいます。
大創産業の物流について、身をもって理解してもらえる内容になっています。“自分たちが売っている商品はこういう工程を経て店舗に来ているんだ”ということを理解したうえで、あらためて業務を見つめ直してもらうために行っている研修です。

A.Yさんも入社時に物流研修を受けたのですか?

私が入社したときにはまだ物流研修はありませんでした。この研修は数年前から始まった取り組みで、今は入社した全社員が受講する研修になっています。
物流部に配属になってから物流研修に関わっていますが、私自身も店舗運営時代に知っておきたかったと思うことがたくさんあります。新卒で入社して店舗運営部に配属になりましたが、物流のことなど何も知らずに日々の業務を行っていましたから。

どんなことを知っておきたかったと感じたのですか?

まずは出荷の流れと発注の仕組みです。店長時代は何も知らなかったので、発注は早いもの順だと勘違いしてPCに張り付いていました(笑)。
今となっては笑い話ですが、無駄なことをしていたと思います。それから不良品を仕分けせずに返品していましたが、それによって物流側で仕分けが必要になっていたこともそうです。あとは、商品を陳列する際に便利なので折りたたみコンテナをしばらく返さないでいましたが、物流側では出荷ができなくなる状況を生んでいたことなどは、店舗で働く人は知っておくべきだと思います。

知ることは大切ですね。

その通りです。先ほどの折りたたみコンテナの話で言えば、コンテナが返ってこないと段ボールで出荷しなければならないのですが、段ボールの費用もどんどん上がっています。
知らずに行っていたことで全体のコストが上がってしまえば、ゆくゆくは商品価格にも影響がでるかもしれません。ですから、物流の仕組みと現状を理解しておくことが、自分たちの仕事だけでなく、お客様にまで良い影響を及ぼすのです。

最後にメッセージをお願いします。

店舗に魅力的な商品をたくさん並べてお客様に楽しんでいただくのが一番重要ですけど、その裏側を物流部が支えていることを知ってもらえたら嬉しいですね。現在も店舗運営部のMTGには物流部側からも代表が参加して意見交換をしていますが、もっと活発に意見交換ができればと考えています。
また、一定の荷姿で商品が入荷すればより効率化できるので、商品本部のバイヤーともっと意見を交換していきたいです。互いのことを知ることで仕事をより良い方向へ導くことができると思いますので、物流をもっと知ってもらえるようにしていきたいです。それによって、物流部を目指す若手が増えたら嬉しいですね。

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