アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置くDAISO USAで人事責任者を務めているステファニーさんに、アメリカにおけるダイソーの現状についてお伺いしました。前編では、ステファニーさんのキャリアの歩みや店舗の状況についてお話しいただいております。「海外へ挑戦したい」「成長の機会を求めている」そんな方たちはぜひ参考にしてみてください。
ステファニーさんのキャリアについて教えてください。
私のキャリアは、人材派遣会社から始まりました。最初はアメリカにある人気のビデオ・DVDレンタルチェーン店からスタートし、次に大手電子機器メーカーのビジネスパートナーとして12年近く働いた後、小売企業のCHRO(Chief Human Resources Officer:最高人事責任者)としてマーケティング部門の全ての人事業務を統括していました。これらの経験を通じて、ビジネスを推進するために人事がどれほど重要かを学びました。現在は、それぞれの企業での経験を活かしてDAISO USAの人事責任者として仕事をしています。
DAISO USAに入社した理由はなんだったのでしょうか。
当社に入社した理由は、成長速度が非常に早いことに興味を持ったからです。アメリカでの急速な成長を進めるこの時期に、DAISO USAメンバーの一員として携われること、成長を体感できる点が魅力的でした。実際に入社してからもその魅力にギャップはなく、皆が一丸となって目標に向かって進んでいるので、毎日が刺激的で充実しています。
DAISO USAで働く魅力について教えてください。
当社での働きがいの一つとして、常に新しい挑戦があることです。私たちはスピーディに市場の変化に対応し、新しいアイデアや戦略を推進しています。例えば、新しい商品ラインの開発やマーケティングキャンペーンの立案など、さまざまなプロジェクトに関わることで自分のスキルを磨き続けることができます。パズルを解いていくような楽しさに近いかもしれません。
アメリカでは『DAISO』はどのような存在でしょうか?
いい質問ですね。DAISO USAはアメリカにあるウォルマートや99セントショップのような店舗をターゲットに置き、拡大しています。『DAISO』は日本では100円ショップとしてのブランド認知度がありますが、アメリカではまだ根付いていません。だからこそ、ブランドの強みを活かし、認知されるように取り組む必要があります。
私たちの強みは、頻繁に変わる幅広い商品ラインナップだと考えています。お客様が『DAISO』に来ると、常に新しくて楽しい、かわいい商品を見つけることができるのです。食品カテゴリーの豊富さも強みの一つであり、ウォルマートなどでは手に入れることができない商品が揃っています。そういった強みを活かし、お客さまがお買い物を楽しめる場所にしていきたいですね。
日本人の従業員はどのような活躍をしていますか?
例えば、アメリカに5年間在籍しているTさんという従業員は店舗開発という非常に重要なポジションに就いています。Kさんという男性は日本の店舗でのマネジメント経験や知識を活かして活躍しています。Iさんは新店舗の立上企画と運営サポートに携わり、多くの新店舗の出店業務の支援をしてくれました。彼、彼女達のようなたくさんの優秀な人材がDAISO USAを支えてくれています。
今後はアメリカのどの地域に店舗展開を予定していますか?
アジア系人口が多い地域以外の市場にも進出していきたいと考えています。例えば、アリゾナ州のチャンドラーやテキサス州のエル・パソなど、アジア系住民が多い地域では成功しています。今後は人口統計や購買層、来店する年齢層などにも焦点を当てていきながら、どの地域でも成功できるようなパッケージを作っていきたいですね。
新たな地域での市場拡大についてどのように考えていますか?
カリフォルニア州ではDAISOブランドをみんなが知っています。それは、私たちがかなり長い間、この地で店舗を運営しているからです。ですが、他の地域に行くとDAISOブランドを知る人は多くありません。だから私たちは店舗をオープンする前から、認知度を高める方法や企画を実施しています。
共に働く仲間たちを集め、ブランドを認知してもらうための企画を実施する必要があります。ですが悠長なことはしていられません。市場では主要な競争相手が私たちのすぐ後ろまできています。場合によっては私たちのすぐ隣にまでいるかもしれません。だから私たちは常に先を行くために最前線にいなければなりません。
急成長を支えるための人事課題と戦略を教えてください。
私たちは2030年までに1000店舗のオープンを目指しています。そのためには、今後800名の従業員を新たに採用する必要があります。本社とのコミュニケーション方法はもちろん、人事システムをグローバル化し、全体を見渡せるようにしなければなりません。また、先ほども言った通り、ブランド力を高める方法も考えなければなりません。解決すべき課題はたくさんありますが、その分やりがいも大きく感じています。これらの要素を見直し、労働力の安定とブランド力の向上を図り、2030年の1000店舗達成のための戦略を練ることが求められます。
DAISO USAの成長過程について教えてください。
DAISO USAは2005年から始まり、今年で店舗数が177店舗に増加。スタート時からするとの店舗数も拡大しました。それに伴って、インフラについても大きく変化しつつあります。私が入社した当時、アメリカの全店舗をカバーする倉庫は1つしかありませんでした。当時はカリフォルニア、ワシントン、テキサス、ニューヨークのすべての店舗の在庫をその1つの倉庫が担っていました。
現在では、アリゾナやコロラド、イリノイ、フロリダなどにも『DAISO』は進出しています。わかりやすく言うと西海岸を起点にアメリカを横断しているようなイメージです。とても1つの倉庫では対応ができなくなってきたので、すぐに別の倉庫を開設してアメリカ中部と東部にサービスを提供する決断をし、2023年9月に新たな倉庫をオープンすることにしました。さらに直近では、2024年の4月に新倉庫を開設、ロサンゼルスにあった倉庫は北カリフォルニアに移転しました。
グローバルな成長を皆さんにも体験してほしいですね。
私たちDAISO USAは途方もない目標を掲げ、日々成長と変化を続けています。当然、これはアメリカだけでなく日本へも良い影響を与えていると信じています。ぜひ皆さんも『DAISO』に入社し、この大きな成長と変化を実感してほしいと考えています。そのためには、皆さんも変化に適応できるような柔軟な思考を持ち、新しいことを学び、国境を越えた関係を築いていくことがとても重要です。たとえ困難な課題に直面したとしても仲間がいるので安心してください。挑戦を恐れる必要はありません。
次回の記事では、ステファニーさんが所属している人事部について、そして具体的な人材育成の取り組みなどについて詳しくお伺いしていきます。どうぞお楽しみに。