世界26の国と地域に展開する大創産業(以降ダイソー)ブランド。「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える~感動価格、感動品質~」という社是のもと、海外展開はますます加速しています。そこに欠かせないのが、「グローバル人材」です。今回、グローバル採用課のお2人に、大創産業が求める「グローバル人材」について詳しくお話を伺いしました。

| ■ グローバル採用課 課長 S.Tさん ■ グローバル採用課 係長 T.Kさん 2名とも、グローバル人材の採用に向けて国内外を問わずの様々な採用活動を展開中。海外の採用活動においても攻めの姿勢を貫き、25年度は9月の段階で海外6ヵ国に自ら出向き、翌年までの海外採用活動も決まっているという。海外の採用市場をその目で見てきたからこそのアイデアで、今後もグローバル人材獲得に向けた様々な施策を計画中。 |
大創産業の「グローバル人材」は、
海外出身スタッフという意味じゃない。
グローバル採用課のミッションを改めて教えてください。
S.Tさん: 社是に掲げる「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える~感動価格、感動品質~」を実現するために、世界中に展開しています。そのグローバル事業を担える、次世代のリーダー候補を採用することが、現在のミッションです。視野の広い若い世代の方たちに、存分に活躍できる環境を提供したい、と思いながら採用活動を行っています。
どのような人材を求めているのですか?
T.Kさん: 端的に言えば、「グローバル人材」ですね。5年後、10年後にグローバル事業を担う存在になっていただける方です。国や地域といった働く場所・環境を問わずに活躍できる能力もそうなのですが、何より重視しているのは、ダイソーのビジネスや商品に共感を持っていること。「海外で働きたい」が第一優先の方より、「小売業の仕事をやりたい」「この商品を世界中の多くの人に知ってほしい」と思っていただける方と一緒に働きたいですね。ちなみに、当社のグローバル人材は、“海外出身者”という意味ではありません。
海外の現地スタッフという意味ではないんですね。
T.Kさん:そうです。他社では海外出身スタッフを指す言葉として使っている場合もありますが、当社は違います。全世界で活躍できる人材をグローバル人材として定義しています。資格やスキル面の基準はあっても、それはあくまで基準です。詳しく説明するのが少し難しいですね。
S.Tさん: つい先日も部署内で話していたのですが、「英語が話せて、海外の留学経験があるという人がグローバル人材か?」と問われたら、恐らくそうじゃないと思います。語学が堪能なだけで採用するのではなく、先ほどの「ダイソーのビジネスや商品への共感」といったマインドや、好奇心と環境適応能力がある方が対象になると思います。
語学スキルや海外志向が、必ずしもグローバル人材の条件ではない?
S.Tさん: 必ずしもそうではないことを象徴するエピソードがあります。現在、台湾で勤務して1年になる日本出身の社員がいるんです。先日、我々が台湾を訪問した際に、彼女が食事の手配からホテルのチェックインなどの対応してくれたのですが、たった1年で現地の言葉を話せるようになっていたんです。
T.Kさん: たしか入社時、中国語はもちろん、語学が堪能というわけではなかったはずです。
S.Tさん: そうそう。語学系学校の出身ではなかったし、面接時には「海外に行きたい」とは一言も言っていませんでした。ただ、小売りの仕事が好きで、何事にも物怖じしない性格と、コミュニケーション力が非常に高いのが印象的でした。グローバル人材として採用していないのですが、今は最前線で活躍していることを踏まえると、彼女のようなマインドや素養のある人が当社の「グローバル人材」に該当するのだと思います。

数ヵ国を飛び回って改めて気づいた。
海外から見た「ダイソーの魅力」。
グローバル人材の採用活動はどのように行っているのですか?
T.Kさん: 国内外問わず活動しています。海外に限って言えば、2月にマレーシア、4月にアメリカのLA、6月に韓国、7月にインドネシアと台湾、8月にタイというように、25年度は今のところ6ヵ国で採用関連のイベントを企画しています。それから、マレーシアとタイは関西外国語大学と連携したインターンシップを実施し、サプライチェーン全体を学ぶため、倉庫や製造工場での物流・商品管理、店舗運営の実務といった幅広い体験を実施いたしました。その他にも、現地の大学を直接訪問することもあります。
現地の大学を訪問して感じることはありますか?
S.Tさん: ほとんどが事前にアポイントを取って訪問しますが、東南アジアの国々などでは飛び込みで訪問することもあります。先日はベトナムのとある大学にアポなしで突撃してみましたが、意外と歓迎していただけたのは驚きでした。大学の関係者の方だけではなく、現地の学生や、留学している日本人学生からも喜んでいただけたんです。
どうして歓迎されたのでしょうか?
S.Tさん: 例えば、マレーシアでは日本企業が現地まで来て説明会を行うことがまだまだ少ないという現状があります。マレーシアに留学している日本人学生は「私たちは日本企業から採用対象に見られているのだろうか」と不安に思うこともあるそうなんです。なので、日本企業が現地に出向いて説明会を行うこと自体が喜ばれるんです。また、留学先では日本国内の新卒採用サービスサイトなども見られていないケースが目立つのも発見でした。
採用活動で工夫、注力されていることはありますか?
T.Kさん: やはり相手の国の文化に対する配慮ですね。宗教によってはお祈りの時間があるなど、就業中に影響する場合もあるので、日本のルールをそのまま当てはめるのではなく、互いを尊重しながら整備していっている状況です。より良い人材を獲得するためには必要な事だと感じています。
海外と国内の採用市場でどこが違うのでしょうか?
T.Kさん: 同じ日本人でも留学を経験していると自分の意見をしっかり伝えるようになりますよね。海外の採用イベントでは説明会終わりの質問なども多くて、質問中にも自己プレゼンテーションを織り交ぜてきます。アピールやアプローチがとても上手いなと感じます。
S.Tさん: 鋭い質問をしてくることが多いんです。マレーシアに建設中の最大規模の物流センターについて「マレーシアに建設する意図は?」とか、自分はこう考えるという意見を交えながらレベルの高い質問をしてきます。起業やビジネスに興味を持っている方が多いからこその質問かもしれませんが、面接する立場の我々も審査されているような感覚になります。
海外の採用市場を見て感じる、ダイソーの強みとは?
S.Tさん: ここ最近でもブルネイやインドに出店するなど、今後も様々な国や地域に展開していく可能性があります。それだけチャンスが多く、選択肢の可能性が広いというのも魅力だと思います。また、海外に赴任できるタイミングは、他社と比べても早いと思います。他社は30代後半くらいが多い中、当社は20代で行くのは全く珍しくありません。
T.Kさん: 若手が増えてきているのもあり、「その年齢でこの仕事が経験できるのか」と感じることがあります。それこそ新卒2年目にアメリカで新店舗の立ち上げ経験をしたり、私も6年目で自らグローバル採用の企画を立てて実行したり。当社は2年目で店長になることを目指しますが、他社と比べても成長スピードが早く、経験値がどんどん上がる環境です。
S.Tさん: 当社は全従業員に対する社員比率が低いのですが、それもチャンスが多い要因の一つです。選考会でもよく学生さんに言うのですが、控え選手のいない9人の野球チームみたいだと。チャンスが回ってくる率が高いというか、必ず打席が回ってくるんです。その打席でチャレンジできることの幅が広いからこそ、それを活かさない手はないですよ。それをしっかり理解していただけるよう伝えることが我々の仕事ですね。

7つの国と地域から仲間を加え、
より多様性を受け入れる職場へ。
今後控えている取り組みについて教えてください。
T.Kさん: 今後で言うと、2025年11月にアメリカのボストンキャリアフォーラムに参加する予定です。その後も2026年2月に関西外国語大学や複数の大学との海外インターンシップをマレーシアで行う予定など、海外での採用活動は続きます。
S.Tさん: ちなみに26年度に入社する予定の外国籍の方は、中国、韓国、インドネシア、ミャンマー、タイ、ネパール、台湾の方で21名です。中でもタイ、インドネシア、ネパール、ミャンマーの方を新卒(正社員)で採用するのは当社でも初めてのことです。当社の理念やビジネスへの共感だけでなく、貿易関連や海外物流に興味を持つ方も多く、入社後の活躍に期待ですね。
アジア圏の方が多いのですね。
S.Tさん: 倉庫や工場などの拠点がアジアに多くあるので、そういったことも大きいですね。それ以外でも、例えばネパールの方はヒンディー語を使えるので、将来インド地域の仕事もできるかもしれません。そういった将来的な繋がりなども想像しながら採用をしています。
今後採用される方は、海外で勤務する可能性が高いのでしょうか?
T.Kさん: 必ずしもそうではないと思います。国内にある事業部でも海外とつながっている業務が非常に多いので、日本国内で勤務するという場合もあります。働く場所は国内外のどちらであっても海外と繋がった仕事をしていくことになるとは思います。
その他、計画されていることはありますか?
T.Kさん: 海外のグループ会社の採用情報をまとめたグローバル採用専門のウェブサイトをこれから作る予定です。グループ間での連携を強めながら、海外のグループ会社の採用にもより携わっていくことになります。
S.Tさん: 基本は各国に自走してもらって、足りないところをフォローしていくようなイメージです。人事担当者がいる国は任せてフォローに徹し、人事が機能していない国には我々が直接行って採用活動をする。それからインターンシップに力を入れていきたいと考えています。例えば自社単独型で公募して、一緒にタイなどの海外に行って数日間生活を共にして互いの人柄まで知れるようにするとか。アイデアは尽きません。
最後にメッセージをお願いします。
T.Kさん: まだまだグローバルに活躍できる人材は少ないと思っています。その分、皆さんにも多くのチャンスがあります。これまでお伝えしたように、「海外で活躍したい」という志向性より、私たちのビジネス、商品に共感して、社是である「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える~感動価格、感動品質~」を一緒に実現したいという方は、ぜひ、ご応募ください!
S.Tさん: 私が常々感じるは、国内外を含めて「ダイソーの商品を使っている人の多さ」です。しかもワンプライスという価格で、良質な商品をたくさん提供しています。中にはもっと高くしてもいいのでは?と個人的には思うほど、お客様目線の会社です。私はすごくまっとうビジネスを行う会社だと思っています。そんな素晴らしい商品やサービスをもっと広めて、世界中のお客様の暮らしを豊かにする。これ以上のやりがいがある会社はないと思います!