2023.07.18

企業として正しく、
仲間が胸を張れる状態で
業界のトップに立つ。

コンプライアンスという言葉が当たり前に見聞きするようになった現代。グローバル展開を続ける大創産業は、どのように推進し、世界のダイソーブランドのイメージを守っているのか。その裏側を伺いました。

法務部 コンプライアンス推進課 I・Fさん
2021年に大創産業に中途入社。法務部 係長職にてキャリアを重ね、コンプライアンス推進課の発足に伴い課長職となる。

異なる言語・文化を超え
全世界で意識を共有する。

現在のメインミッションについて教えてください。

部署名の通り、社内のコンプライアンス推進を主に手掛けています。これまでは国内だけでコンプライアンスの意識調査や、情報セキュリティ・情報管理のセルフチェックなどを行っていたのですが、今年からは全世界同時に行うようになりました。
対象者だけを見ても5万人近くに拡大しているので、対応する範囲がとても大きくなります。まだ始まったばかりのことなので、これから様々な課題が出てくるでしょうし、試行錯誤の日々が続いています。
他にも、新規取引をする際に、まずは反社チェックをしてから契約の話が具体的に進んでいくのですが、それらのチェックも行います。少しでも反社と関連があれば社会的にもかなりのダメージを受けます。社会的信用の失墜はもちろん、それによるダメージは計り知れませんから、基本的なことですが大切な業務です。

5万人!?国内外で違いを感じることはありますか?

全世界が対象になれば扱う言語が複数になりますし、国や地域によって文化・風習も異なりますから、伝え方には十分な配慮が必要だと感じています。日本語の内容を現地の言葉にそのまま直訳しても、上手く伝わらないことがありますから。
まずは現地の言葉に翻訳して、現地の方たちがわかりやすく、理解しやすくなっているかを検討して、必要があれば表現の変更や修正をします。そういった文化・カルチャー的なところにもきちんと配慮をしながら対応していかなければならないので、国内だけを相手にするのとは違うと感じています。

そのような大変な業務をどのように推進しているのですか?

実は3名で行っているんです。もちろん、海外の現地担当者と連携しながら行いますし、海外事業部にもサポートしていただいています。3名とは言いましたが、国内外の関係する部門と連携・協力して進めているような感じです。
対象者がとても多いので、この協力体制がなければ成し遂げることはできないですね。実は、この連携によって各国・各部門の現状を把握できるので、課題がさらに抽出しやすくなり、ゴールの目線合わせもしやすくなると感じています。また、5万人の対象者を3名で対応しているので、必然的に1人あたりの対応領域も大きくなっています。

目指すゴールはどこにあるのでしょうか。

各国毎に内部通報制度などを設け、各国でコンプライアンス委員会などを独自開催できるような体制にまで整備していくことです。そのためには人的リソースが圧倒的に足りません。現状では、各現地にコンプライアンス推進の専任者がいないんです。兼任ではなく専任でコンプライアンス推進に専念できる人を増やすなど、基礎から整えていく必要があります。人を育て、体制を管理すれば終わりではなく、社会の変化に合わせて常に様々な方向から考える必要があるので、かなり長いスパンになるだろうと思っています。各拠点に専任の方を配置して、その方たちをつなぐネットワークをつくることが、一つの完成形と言えるかもしれません。

現場の声をしっかり聞く
それが何より大切なこと

ダイソーには内部通報制度がありますよね?

はい。内部通報制度を利用してハラスメント系の相談をいただくことがありますが、蓋を開けてみると現場での人間関係のもつれや個人間のトラブルに起因していることが、実は多くあります。そうなるとお互いに言い分がありますし、一概にどちらが悪いということでもありません。
通報者側にも何かしらの問題があったということが後にわかることもありますし、判断も対応も難しいところです。一方を処分して終わりではなく、お互いの主張を丁寧に聞いて、双方が納得できる落としどころを探ることが多いですね。

課題に感じていることはありますか?

コンプライアンスと聞くと「義務感」「やらされ感」「会社が行うもの」といったイメージを持ったり、中には「競争社会なのだから、正しいことばかりでは利益は生まれない」と考える方もいるかもしれません。
ですが、コンプライアンスの順守は、会社のためというより、最終的にはそこで働く人たち自身のためになることです。従業員1人ひとりのコンプライアンスの意識が高まれば、それだけ働く環境が良くなることに直結します。そのように思ってもらえるよう、まずは意識改革から行う必要があると思っています。
また、内部通報制度は、通報する側は勇気も必要ですし、それによって現場がギクシャクするのは辛いと考える方もいるでしょう。そういったことへの配慮もさらに必要だと思います。

大切であり、デリケートな問題ですね。

先ほど例にあげた人間関係などのもつれの相談などは、お互いにスッキリするゴールがなかなかありません。
また、コンプライアンス意識の浸透は、数値などで目に見えてわかりやすくもありません。無理やり評価しようとすると、昨年度のコンプライアンス意識調査の結果と比較するということになるんでしょうけど、数値の増減で安易に喜ぶことはできません。
問題が表面化していないという状況も考えられますから。社会が変化する限り、問題は決してゼロにはならないと思いますので、常に様々な配慮が必要になります。

普段から心がけていることはありますか?

『コンプライアンス』という言葉が空回りしないようすることを強く意識しています。決して上から目線になってはいけないですし、「自分がその立場だったらどう思うか」「現場だったら何ができるだろうか」ということを常に考えています。
例えば、私たちが理想の状態を思い描いても、それはあくまで私たちの理想です。それを現場に押し付けることはできませんし、本当の理想の状態に近づけるためには、現場からも意見を出してもらって、それとすり合わせをしていくのが大事なのです。

現場の声を聞くために行っていることはありますか?

店舗運営本部が週に一回行っている「共有会」というオンライン会議で、内部通報の事案と対応策を共有する場を設けてもらっています。
また、普段からメンバーや現場の方たちと相談して進めていますが、メンバーは現場から異動してきた方もいますので、貴重な意見をもらえる存在です。他にも、エリア責任者から相談されることもありますし、現場の店長さんから「今月のコンプライアンス通信の内容でわからないところがあるので教えてください」と直接問い合わせをいただくこともあります。

「コンプライアンス通信」とは?

コンプライアンスについての理解推進のために発行している社内報なのですが、私が作っています。もともとそういったコンテンツがあったのですが、文字が多くて総括的な感じだったので、もっと現場の方たちが時間をかけずに、すんなりと理解できるようにマンガやイラストを取り入れて、紙面の作り方からわかりやすく工夫しました。スタッフさんにもダイレクトに見てもらえるツールなので、継続していくことを大切にしています。

現場とつながるツールでもあるのですね。

コンプライアンス通信をきっかけに相談をいただくことも増えています。中には「こういうことも取り上げてください」とリクエストをいただくこともあるんです。現場の生の声からは本当に色々なヒントをもらえます。
ですから、みなさんが歩み寄りやすいよう、一方通行にならないように気を付けています。それから色々な相談をいただきますが、事象のみを伝えるのではなくて、どうしていけないことなのかを伝えたり、どのように対処すればいいのかを伝えたり、そこまで伝えていくようにしています。

企業として正しい状態で
業界のトップに立つために

どんなところにモチベーションを感じますか?

コンプライアンスを推進することで、職場がより良い環境になることです。コンプライアンスは空気のようだと言われることもあるので、空気に例えてみましょう。空気がなければ人は生きていけませんよね?でも、目に見えないからなかなか重要性が伝わりにくい。ただ、空気が汚染されると病気や、疲れやすくなるという不具合が出てきます。似ていると思いませんか?空気をきれいにすることで疲れにくくなったり、体力が向上したりと、良いことがある。このようにコンプライアンスを推進することで良いことがあるとみなさんにご理解いただきたいです。コンプライアンスは、空気くらい大切なものなんです。

今後の目標について教えてください。

まずはコンプライアンス推進課が掲げる目標を実現することですね。ダイソー社員のコンプライアンス意識が高いということは、ダイソーブランドの一角にもなると確信しているので、成し遂げたいです。
それから、誰が見ても正しいことをやって、働いている人が胸を張れる状態でトップに立つ方がいいですよね。すでに業界トップクラスのダイソーが、コンプライアンスをさらに高めることで、実現していきます。

これから入社される方に、伝えたいことはありますか。

ダイソーには、商品開発をはじめ、物流部、品質管理部などたくさんの部門があります。部門や国・地域によってそれぞれ異なる事情がありますので、同じコンプライアンスの推進をするにしても、その現場に合わせていかないといけません。
そこが面白さであり、醍醐味でもあると思います。大変なこともありますが、全世界の従業員が働く環境をより良く改善していくことに貢献できるなんて、なかなかできることではありません。ぜひ、一緒に働きましょう!

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